英国国立ウェールズ大学は存在しない。
「ウェールズの山」(1995)という映画がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%81%AE%E5%B1%B1
ウェールズのとある小さな村の村人達が昔から誇りにしている小高い山が、測量した結果、“山”と認められる高さ305メートルに6メートル足りない、ただの“丘”に過ぎないと判明する。
村人達はひどく落胆するが、思い直し、頂上に土を積み上げればいいのだと考え、村人総出で土運びが始まる。
ヒュー・グラント演じるイングランド人測量技師がウェールズ人の思いを汲んで、一緒になって土を運びはじめる、という予定調和的ではあるが、実に心温まる佳品。
一つ一つの描写はとても丁寧で、村人たちの素朴な思いが伝わり、笑えて泣けて、大満足の映画として今だに忘れずにいる。
それ以来、私はウェールズにいつか行きたいものだとずっと思いを寄せるようになり、最近仕事の関係でMBAを取ることになったので、やはり第三者認証のある海外のMBAを取るべきだろう、本場のイギリスがよいなと探していて、英国国立ウェールズ大学にそのプログラムがあることを知った。
ところが、なんと、2013年にウェールズ大学はなくなっている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E5%A4%A7%E5%AD%A6
日本で英国国立ウェールズ大学MBAを取得できると謳っているビジネススクールがあるが、表記がおかしい。「ウェールズ大学トリニティセントデービッド」と書いてあるが、正しくは「ウェールズトリニティセントデービッド大学」と表記しなければならないはずである。「ウェールズ大学トリニティセントデービッド」の順だと、ウェールズ大学は存在し、トリニティなんちゃらはそのカレッジに見える。偽装表示スレスレにさえ思える。
もともと、ウェールズ大学そのものはなく、ウェールズ地方の大学の総称だったということも今回知った。統廃合なのか、調べると色々スキャンダルもあったようで、とにかく「ウェールズ大学」というものは解体され、この世に存在しないということだけは、よくわかった。
イギリス人の友人に聞いたところ、まさに「ウェールズの山」ならぬ「ウェールズの大学」という映画を作ったらいいよというくらいの、スキャンダルと紆余曲折があったという。
それにしても、MBAスクールの乱立は調べていけばいくほど、混乱の極みと思える。そもそもが、日本のそれは世界が共通認識するMBAではあるまいに。